HOME | 不動産売買 | 2_査定依頼

❷不動産の査定依頼をする

 

不動産売買の専門家に相談する。

(1)不動産会社がアドバイスするために必要な情報
 これまで、事前準備としていろいろと整理してきた内容を踏まえて、不動産会社に相談します。不動産会社が適切なアドバイスをするために必要な情報は次のとおりです。
 
■売却したい物件に関する情報
 ●所在 ●建物図面 ●写真 ●測量図等 ●固定資産税の明細
 ●土地、建物に関する資料 ●マイナス情報など

■売却目的、売却理由
 ●買換え ●相続 ●資産整理 ●その他の明確な理由

■知りたいこと、疑問点
 ●売却方法 ●税金のこと ●相続のこと ●その他
 


(2)不動産会社の役割とは
 不動産を売却したいお客様から相談を受けた、不動産会社の役割について考えてみたいと思います。
 
不動産(宅地・建物)の取引は、権利関係や取引条件が極めて複雑で、関連する法律は多数に及び価格も高額です。
もし、不動産を十分に調査、確認しないで契約すると、契約成立後、契約内容や取引条件に関する認識の相違により紛争となったり、当初予定していた目的で利用ができなくなったりするなど、不測の損害を被る可能性があります。
このため、我々不動産業者は、不動産取引者の不安を取り除き、利益の保護をはかることにより、宅地建物流通の円滑化に資することが重要な使命となっています。言い換えると不動産業者の社会的使命は、不動産取引をする方々の「不動産取引の安全の確保(トラブル回避)」であると言えます。


(3)査定依頼をする

 (1)価格査定の依頼の仕方
 WEB上には、不動産査定のポータルサイトがたくさん存在しています。はじめのご挨拶でも触れましたが、不動産の一括査定には限界があります。
例えば都市部の大規模なマンションなどで、売買事例が豊富にあり、所在階、部屋タイプ(間取り・専有面積)と傷み具合を加減すればある程度正確な査定価格を出すことができます。
しかしながら、一般的な戸建て住宅や土地などは同じものが二つと存在しません。このために現地を見て、いろいろな調査をしなければ正確な査定価格は出しにくいものです。
 
(2)不動産会社の選び方
 地域の不動産の相場は、地域に密着した業者でなければなかなかわからないものです。実際に自分のエリア外の不動産の価格を調べる場合は、公的な資料(路線価など)を参照しつつ地元の業者に聞き合わせを行うのが一般的です。
 インターネットの普及によって、ホームページを見れば、売買が得意なのか、賃貸が得意なのか・・・など、不動産会社の得意分野もわかりやすくなっています。
不動産を売却する場合は、売買に強い会社、売買件数も多い会社に依頼することにより円滑に不動産の売買ができます。
 また、売却する不動産の種類によっても、不動産会社の得手・不得手があります。例えば、収益物件の売買では、賃貸管理に力を入れている会社の方がオーナー情報をたくさん保有しているので有利であったり、開発が必要な土地(広い土地で分譲地などにする場合)の場合は、自ら宅地開発を行う不動産会社や建築業者とのパイプがある不動産会社が有利であったりします。
 
(3)不動産の種類と価格査定の手法
 不動産の種類と価格査定の手法の組み合わせは次のとおりとなります。


 
◆取引事例比較法

  • 査定する不動産と条件が似ている物件の成約事例を探し、売買された時期や立地条件の違い、物件の個別性などを比較して価格を査定する方法
    適した不動産の種類:土地

 


 
◆原価法

  • 建物について現時点で新築した場合の価格から、築年に応じた減価修正を行って価格を求める方法
    適した不動産の種類:戸建ての建物

 


 
◆収益還元法

  • 収益用不動産などが将来生み出す期待される収益から価格を割り出す方法
    適した不動産の種類:収益用不動産
 

簡易な説明となりましたが、物件の特性に応じた価格査定の方法の一例の説明とさせていただきました。
実務において弊社では、「公益財団法人 不動産流通推進センター」の価格査定マニュアルを使用しています。マニュアルと聞くと紙ベースのようですが、実際は査定結果を入力するとWEB上で査定価格を算出することができます。
価格査定マニュアルの仕組みを解説した資料がありますので、ご興味のある方はご覧ください。
 
1戸建住宅価格査定マニュアル.pdf
2戸建住宅 サンプル.pdf
3住宅地 サンプル.pdf

※公財 不動産流通推進センター 「価格査定マニュアル」より

 
(4)価格査定と鑑定評価の違い
価格査定は、売却予定物件について、不動産会社が周辺相場等を参考に「売却見込み価格」を算出して提示するものです。一方で鑑定評価は、不動産鑑定士が鑑定評価基準に基づいて行う評価です。裁判での立証資料としての鑑定評価、遺産分割のための鑑定評価、担保物件の鑑定評価など公的な信頼性の高い評価額が必要な場合に利用されます。鑑定評価には数週間の期間と鑑定費用が必要になります。
 
(5)物件調査
物件調査の目的は、取引をする顧客(買主等)に「物件の内容を正確に説明し、購入等の意思決定で、顧客の判断を誤らせないこと」にあります。宅地建物取引にかかる紛争の発生を未然に防止することが重要で、 調査は以下の要領で行われます。

 
ア 公簿等による調査
 不動産登記記録その他の公簿等(公図・図面・各種証明書等)を調べることにより、取引当事者や取引物件に関する「権利関係」や「事実関係」などを調査・確認することをいいます。

  イ 面接聞取り調査
物件についての権利の主体の確認と、現況や履歴を把握することです。売主や所有者にしかわからない事項について、売主等の協力を得て「告知書」を提出してもらうことも含まれます。

  ウ 現地調査
公簿等による調査、面接聞取り調査、生活関連施設の調査、法令上の宣言の調査で得られた書類や情報を現地で実際に確認する調査です。

  エ 生活関連施設の調査
水道、排水施設、ガス、電気について目で見て確認できる範囲に加えて、関係調査先にて図面の閲覧などを行う調査です。

  オ 法令上の制限の調査
取引の対象となる物件が法令上において、その使用・収益・処分についてどのような制限を受けているのか、公簿等の調査や現地調査では分からなかった目に見ない制限の内容を、地方公共団体等への照会などにより明確にしてゆく調査です。

  カ 物件調査の項目
実際に不動産会社が使用する調査用紙の一例になります。
不動産調査表(土地・土地建物用).pdf

  キ 「契約不適合責任」の防止を検討する
2020年4月の民法改正によって、不動産の売買において「 瑕疵担保責任 」にかわって「契約不適合責任」が適用されるようになりました。
簡単に言えば、引き渡された物件が契約の内容に適合しない場合に売主が買主に対して負うことになる責任です。
一番重要なことは、売買した不動産について買主と売主に認識の違いがないことに尽きると思います。そのためには、不動産業者がしっかり物件調査を行い、説明すべき点はきちんと説明する。また、取引についてどこまで売主が責任を負うかなどのバランスを取ることも重要だと思います。
ク 価格査定のまとめ
「不動産会社の価格査定」については、「不動産の売却」における重要なステップです。価格査定において「現地調査」が適切に行われていれば、売却までに売主が行うべき処置事項が明確になり、円滑な不動産の売却が可能となります。
 

(6)取引におけるいろいろな価格
不動産を売却するにあたって、いろいろな価格がでてきます。まず、お客様自身がこれくらいで売れたらよいなあというのが「売主の希望売却価格」になります。これに対して査定依頼を受けた不動産会社が提示するのが「不動産会社の査定価格」になります。これは、地域の不動産の相場、物件の特性などから導き出される価格で「合理的な根拠」を示さなければなりません。「売主の希望価格」と「不動産会社の査定価格」をすり合わせて、売主が合意した価格が「売出価格」になります。売り出された不動産に対して買い希望者が提示した価格が「買主の購入希望価格」となり、最終的に売主と買主が合意した価格が「契約価格」となります。
「不動産会社の査定価格」については、当然不動産会社によって異なってきますが、概ね3ケ月程度で売却が可能と思われる価格が提示されます。